船出に捧ぐ詩

さぎりに浮かぶ あの船は

わたしを語ってくれますか

みどり児撫ぜる 春かぜに

あなたをよそえられたなら

この胸に生けた 藤色のブローチを

あたたかな羽に変える

遠いまばたきを繰り返していたい

岬にうずもれるその産毛に

わたしも いつまでも朽ちていきたいから

うみべの夢は 貨物にのって運ばれてゆきます